起業を考えている人が増えています。また、こうしているうちに次々にベンチャー企業が誕生しています。会社設立は今後を大きく左右します。

仕事も勤務時間も教育制度も、すべて会社の提供する一律的な人事制度を受け入れる以外に選択肢はなかった。 企業に勤めることは、企業の方針に人生を委ねることであった。
その代わり、企業は従業員に定年までの雇用を保証した。 終身雇用である。
この考え方は、日本の暗黙の社会契約となり、会社と従業員との鮮となった。 終身雇用の崩壊によって、働く側の意識も変わりつつある。
就社という労働観は、もはや一般的ではない。 働く目的を生活のためにだけではなく、やりがいや自己実現を求めるようになった。
従業員の意識は変わってきたのである。 自分のやりたい仕事や能力を発揮できる職場を求めて会社を移ることは、前向きな人生選択として評価されるようになってきている。
働くことへの選択可能な道が開ければ、いろいろな可能性を、夢を実現することができる。 自分の夢や希望をかなえるために、どのような会社に勤めるかを考える。

自分の人生設計を明確にできてこそ、職業の選択を真剣に考え、自分のキャリアに必要な企業を選んでいける。 それは、閉塞感のあるサラリーマン社会に、自己実現を可能にする。
新しいライフスタイルを提供するきっかけとなる。 企業の社会的存在意義が問われるいま、企業戦略に基づいたさまざまな雇用形態を示すことで、企業と従業員との間に、新しい関係を築き上げる。
有能な人材を確保するためには、働く側のニーズや多様な価値観を受け止め、さらにホワイトカラーの生産性を上げるためにも、多種多様な雇用制度が求められる(図表7)。 これからの雇用形態は、会社が従業員の生活を生涯にわたって保障する終身雇用から、企業側も従業員側もそれぞれが選択できる雇用システム、すなわち選択雇用制度に変わっていく。
選択雇用制度とは、企業が経営戦略に沿ったいろいろな形態の人事制度を提供し、従業員はそこから自分のキャリアプラン、ライフプランに合った制度を選択できる人材マネジメントである。 人事施策は企業理念や経営戦略と結びついており、本来的には企業それぞれの独自性が表れるものである。
企業は理念やビジョンを広く社会にPRし、それに共感し、かつ経営戦略を理解して実行できる人材を長期雇用していく。 ク人材ψ の差別化による競争力を得るためには、ビジョンに基づいた人材マネジメントが不可欠なのである。
企業のコア・コンピタンスとは、他の企業が真似できない技術やサービス、ビジネスモデルなどを開発できる能力である。 その能力を維持・強化するために長期間にわたる人材育成が必要であるならば、終身雇用制度も有効な人事政策となりうる。
ある企業は終身雇用をアピールし、別の企業は完全実力主義やストック・オプションなどの制度で優秀な人材を引きつけようとする。 また、ある企業は多様なキャリアプランを整備し、別の企業は非正規社員を主戦力とするような人事施策を打ち出す。
このように、企業の経営戦略、事業戦略によってこれからの人事制度は多様化していくことになる。 選択雇用制は、職務、キャリア、教育、昇格、報酬、勤務、福利厚生に分けることができる。
それぞれの具体例を紹介しよう。 仕事の選択 生き方を決める高名な女優と話をする機会があったときに、最も印象に残った言葉だった。

女優という職業は、傍で見るよりも過酷で重労働である。 汗が出ないように、真夏の撮影でも水分は一切口にせず、役柄に合わせるために過酷なダイエットを行うこともあるという。
なぜ、そこまでできるのかを尋ねたときの、女優の答えだった。 女優の服装や髪型、立ち居振る舞い、生き方そのものが女性の憧れである。
女優を演じることで、自分が望む姿に近づいていく。 女優でいることを常に意識し、少しでも理想の女優になれるための努力を惜しまない。
その過程で、職業としての女優とプライベートな自分との区別の。 壁。
がなくなっていき、女優でいることが当たり前になっていく。 女優という職業を通じて、自己実現を図っていけるのだ。
日本では、会社の選択はできても仕事の選択はほとんどできない。 すべてが会社都合である。
本人の希望が通る可能性はごく稀である。 自分のやりたい仕事を自由に選べる制度が当たり前のように会社のなかにあれば、サラリーマンはもっと自由でかっこいい職業になるはずだ。
なぜならば、女優のように仕事を通じた自己実現がより身近な生き方になるからである。 企業が人材に求める能力も、広く浅くのゼネラリストから、専門性を持ったマネジメント能力の高いプロフェッショナルに代わってきている。

企業活動の高度化、複雑化が進むなかで、販売やサービス、生産工程など、業務の専門化が求められてくる。 企業が競争力を維持するために必要なことは、自社のコア・コンピタンスにかかわる職務は何かを把握し、その職務をこなせる人材を十分に確保することである。
そのために職務別選択制度が必要になる。 社内に存在する仕事の専門性を明確にして、社内外から自由に人材を調達できるようにするのだ。
これからの人材マネジメントは、特定職種でのスペシャリストの活用を考えるべきである。 自社の従業員だけでなく、外部の人材も活用しながら生産性を高め、高品質な製品やサービスを市場に提供していかなければならない。
その際、正社員、非正規社員という雇用形態で処遇を考えるのではなく、仕事の貢献度によって評価していかなければならない。 職務内容に基づき、正社員も非正規社員も同じように処遇する制度が必要になる(図表8)。
非正規社員活用の本来の目的は、企業内部で簡単に育成できない専門性の高い人材を外部から取り込み、生産性を向上させることである。 したがって、必要とする専門性に対しては、その職務内容で処遇を決めるべきである。
そうでなければ、有能な人材を取り込めない。 システムエンジニアをコア職種とする企業では、有能な人材を多く抱えるためには、テレワーカーや在宅勤務を勤務制度として認める必要もある。
人事部や経理部などで在宅勤務を認めると、業務に支障が出てくる。 選択雇用制度の適用方法は、職種によって変える必要がある。

職種別ベースの人材活用は、職業の専門家の育成につながる。 人材の流動化にも貢献できる。
職務内容で処遇を決める会社が増えれば、徐々に労働力の外部市場を形成し、人材の流動化が容易になる。 同じ仕事の内容で賃金も同じレベルならば、企業理念や勤務形態、自分のキャリア・アップを図れる職場を選ぶようになるだろう。
有能な人材に選ばれるためにも、企業はより優れた人材マネジメントを模索しなければならない職種別の賃金要求方式を採用する。 今後は職種聞の人材の獲得競争が始まる。
その際の競争相手は、同業他社だけではない。 製造職では、人件費の安いインドや中国がライバルになるし、事務職ならば、派遣会社やアウトソーシング会社がライバルになる。
働く側にとっては、どの企業の職種を選ぶかがポイントになる。 人事マネジャーの職種でも、人材育成に力を入れている企業と人事業務の大半をアウトソーシングしている人事部のマネジャーでは、求められる職務が異なる。
また、人事部門を企業戦略の中核にとらえている企業と、ライン・マネジャーのサポートとしてとらえている企業では、求められる責任も異なってくる。

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